日本化学会誌(化学と工業化学)
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テトラチオン酸イオンのアルカリ分解吸光光度定量
三浦 恭之康 智三
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1983 年 1983 巻 11 号 p. 1597-1601

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抄録

 テトラチオン酸イオンをアルカリ分解したとき,1molのテトラチオン酸イオソから1.3molのチオ硫酸イオンが生成される条件を検討した。本研究では,この反応を完結させたのち,ここで生成される硫化物イオンと亜硫酸イオンを除去してから一定過剰のヨウ素を加え,ヨウ素の消費量からテトラチオン酸イオンを定量することを目的とした。硫化物イオンは炭酸水酸化亜鉛と反応さぜ硫化亜鉛の沈殿として除去し,また亜硫酸イオンはホルムアルデヒドでマスキングすることにした。テトラチオン酸イオンの検量線は6×10-6mol/lから3.7×10-4mol/lまでの濃度範囲内で良好な負の直線性を示した。2.00μmolテトラチオン酸イオンを含む試料溶液10mlずつを用いて11回くり返し実験を行なったところ,平均値は2.00μmol,標準偏差と相対標準偏差はそれぞれ0.012と0.59%であった。

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© The Chemical Society of Japan
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