1977 年 1977 巻 4 号 p. 523-528
ハロゲン修飾金属パラジウム触媒上で,エチルベンゼンの酸化脱水素反応が,200~300℃で選択的に進行することを見いだした。添加ハ群ゲンィオンとして臭素イオンを用いた場合に,活性ならびに選択性がすぐれていたので,これを安定な臭化ナトリウムの形で添加して用いた。反応の見かけ活性化エネルギーはエチレンの生成に関して7.8kca1/mol,二酸化炭素生成のそれに関して16.1kca1/molであった,スチレン生成の反応速度はエチルペンゼン分圧について-次であったが,酸素分圧に関しては非解離型のLangmuir吸着式で近似された。プロピルおよびブチルベンゼン類でもおのおの酸化脱水素反応が進行し,ベンゼン環に対してβ-位に二重結合を右するアルケニルペンゼン類を与えた。その反応性は,一般にアルキル側鎖の炭素原子数が多くなるにしたがって低下した。直鎖アルキルペンゼンのアルキル基が大きいほど酸化脱水素反応の見かけ活挫化エネルギーが大きく,競争反応におけるエチルペンゼンの反応抑制の程度も大であった。これはアルキル鎖が長くなるほど触媒上に多鍛に吸着し,エチルペンゼンの吸着を阻害するためと考えられた。
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