2006 年 43 巻 p. 263-269
PbやZnの水酸化物の溶解度がpH8付近で最小となることに着目し, 飛灰のセメント固化物を中性化処理することで重金属の溶出抑制を試みた.一般廃棄物焼却飛灰のセメント固化物に二酸化炭素を曝露して中性化し, 曝露時間とpHの変化について調べるとともに, フェノールフタレインの変色域より中性化の度合いを判定する方法を提案した.また, 内部まで完全に中性化された固化物に対してタンクリーチング試験を行い, 拡散現象に支配された場合のPb, Cr, Zn, Cuの溶出フラックスを測定した.CrとCu, Pbの溶出フラックスは, 中性化処理により減少する傾向を示した.しかし, Znでは増加するケースが見られ.二酸化炭素を曝露しすぎると溶出量が増加する可能性が示唆された.