日本森林学会大会発表データベース
第125回日本森林学会大会
セッションID: D07
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造林
スギ人工林の花粉生産と間伐による抑制技術:多雄花木間伐試験4年間の結果からみた可能性
*梶本 卓也福島 成樹齊藤 哲壁谷 大介川崎 達郎五十嵐 哲也奥田 史郎右田 千春韓 慶民千葉 幸弘清野 嘉之
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抄録

スギ花粉症対策の一つには、発生源のスギ林を間伐等で適切に管理して花粉生産自体を抑制しようとする方向がある。なかでも、雄花を多くつける個体を優先的に間伐する手法(多雄花木間伐)は、立地や間伐率など条件しだいで有効になる場合が示唆されていた。本研究では、こうしたアプローチの可能性を検討するために、千葉県と京都府の2ヶ所のスギ林(約30年生)において、間伐率を揃えて通常の定性間伐(いわゆる下層間伐)と雄花生産量を比較する試験を行った。雄花の生産量の指標には、個体(目視による5段階の着花程度の評価)と林分(トラップ法による脱落量測定)の両レベルでのデータを収集した。今回は、試験開始から4年分の経過データの解析結果について、おもに千葉県の試験地での結果を中心に報告する。スギの雄花(花粉)生産は、およそ5年に1回程度で大豊作になることがわかっているが、これまでの試験結果から、こうした豊作年では多雄花木間伐区では通常間伐区に比べて花粉(雄花)生産量が少なくなる傾向が認められた。報告では、こうした結果を生じたメカニズムを考察するとともに、この間伐法を現場に適用する際の問題点なども検討する。

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