日本森林学会大会発表データベース
第125回日本森林学会大会
セッションID: P2-158
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防災
常緑落葉混交林における蒸発散長期変動と環境応答の解析
*印南 賢人太田 岳史小谷 亜由美中井 太郎
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抄録

 愛知県瀬戸市に位置する瀬戸観測サイトでは、2002年から水文・気象観測が継続されており、10年間の変化を解析することができる。また、瀬戸サイトでは2010年にナラ枯れによる撹乱が起きており、それが年蒸発散量にどのように影響しているかを検討することが可能である。本研究では、蒸発散量の年々変動から水収支を検討し、表面コンダクタンスの変化から蒸発散量の変化を明らかにした。そして、瀬戸サイトにおける10年間の環境変化の影響を理解するものである。
 本研究では、実蒸発散量を求める手法として渦相関法を用いた。そして、以下の結果が得られた。
 年降水量は1000~2000mmの間で大きく変動し、年蒸発散量の変動は500~750mmと小さかった。また、2010年に起きたナラ枯れにより、年蒸発散量が約100mm減少した。蒸発散量の変動の要因を明らかにするため、Jarvisモデルにより着葉期(JJA)および落葉期(DJF)の表面コンダクタンスを解析したところ、着葉期は大気飽差、落葉期は大気飽差と気温の影響が大きかった。また、枯死後の変動は、落葉期の大気飽差に最も影響が現れていた。

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© 2014 日本森林学会
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