福島県内の川内村、大玉村、只見町の森林8プロットにおける3年間の調査に基づき、、セシウム137(137Cs) 蓄積量(Bq/m2)の土壌中での垂直分布状況の経年変化を検討した。堆積有機物(O)層と土壌(0-5, 5-10, 10-15, 15-20cm)4層位を解析対象とした。いずれの試験地でも137Cs蓄積量はO層>土壌(0-5cm深)>土壌(5-20cm深)の順であり、土壌深度が増すにつれて137Cs蓄積量は指数関数的に低下していた。多くの試験地では、2011から2012年にかけてO層中の137Cs蓄積量が減少し、土壌(0-5cm深)の137Cs蓄積量が増加し、2012から2013年にかけてはO層と土壌(0-5cm深)の137Cs蓄積量はほとんど変化しなかった。ただし、一部のプロットでは2012から2013年にかけて土壌(0-5cm深)の137Cs蓄積量が減少していた。土壌(5-20cm深) の137Cs蓄積量は、O層と土壌(0-20cm深)の3.9~15.0%(2011年)、2.8~13.3%(2012年)、5.8~22.1%(2013年)であり、調査期間を通して多くの137CsがO層と土壌最表層に留まっていることが明らかになった。