応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
研究紹介
機械学習で新しい超伝導物質を探索する
21世紀版マティアス則への期待
松本 要堀出 朋哉
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2020 年 89 巻 4 号 p. 222-226

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抄録

初期の超伝導物質探索においてマティアス則が活躍した.マティアス則とは,遷移金属およびその合金の臨界温度Tcがある特定の物質パラメータの組み合わせにおいて極大になるという経験則で,多くの超伝導物質の発見につながった.ところが最近,計算機パワーの進展に伴い,全く新しい経験的なTc予測法が生みだされる可能性がある.それは最新の超伝導データベースと人工知能技術の一種である機械学習を用いて,計算機に既知物質のTc実験値とその元素の組み合わせを学習させ,得られた学習モデルを未知物質の元素の組み合わせに適用してTcを予測する手法である.これは強いていえば,21世紀版のマティアス則と呼ばれるようなもので,本稿は,この新しい超伝導物質探索手法に関するものである.

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© 2020 公益社団法人応用物理学会
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