日本門脈圧亢進症学会雑誌
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B-RTOと部分脾動脈塞栓術の併施で改善した門脈奇静脈シャントによる高アンモニア血症の1例
馬越 通信吉田 寛真々田 裕宏谷合 信彦坂東 功一峯田 章川野 陽一柿沼 大輔神田 知洋田尻 孝
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2008 年 14 巻 2 号 p. 148-151

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抄録

門脈奇静脈シャントによる高アンモニア血症に対し, B-RTOとPSEを併施し長期的に改善しえたので報告する.症例は77歳, 男性.主訴 : ふらつき, 見当識障害.7年前高アンモニア血症に対しTIOとPSEを施行.今回, 再度高アンモニア血症出現し入院となった.血清アンモニア値は262μg/dl.諸検査にて右胃静脈と後胃静脈を供血路, 傍食道静脈及び半奇静脈を排血路とした門脈奇静脈シャントに伴う高アンモニア血症と診断した.奇静脈内に挿入したバルーンカテーテルで閉塞し造影を行ったが, 細い側副血行路により造影剤の停滞が不良であった.側副血行路をcoilingした後, 50%ブドウ糖を先行注入し, 5%EOI使用しB-RTOを施行した.更に70%PSEを併施した.バルーン24時間留置後, 終了とした.術後より高アンモニア血症の著明な改善を認めた.術後より約1年経過した現在も再発を認めていない.

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