2004 年 72 巻 8 号 p. 673-676,a1
兵庫県五色町を事例に,菜の花栽培による農地の多面的機能強化プロセスおよびシステムについて考察した。その結果,菜の花栽培プロジェクトの多目的化により,農地に対して新たに多様かつ外発的な役割が期待された結果,これを担うべく農地そのものの機能が多様化しかつ強化されるプロセスが見出された。また,このプロセスは,さまざまな地域資源の複合的活用システムにより支えられており,農地管理への多様な労働力や資金の活用,および農地貸借への合意形成を容易にするなどの効果があることを指摘した。