2024 年 65 巻 1 号 p. 47-51
Tリンパ芽球性白血病/リンパ腫(T-ALL/LBL)は急性白血病・悪性リンパ腫の中でも予後不良の疾患として知られている。Nelarabineは再発難治性T-ALL/LBLに対し良好な臨床成績が報告される治療選択肢の一つである一方で,神経障害の合併症に注意を要する。今回,T-LBL移植後早期再発に対しnelarabine単剤で完全寛解を達成し臍帯血移植を行ったが,高度意識障害を来し多臓器不全により死亡に至り,剖検にてnelarabineによる薬剤性白質脳症を示唆する所見が得られた1例を経験したため,報告する。