臨床血液
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特集:臨床血液学2022 ―血液疾患診療の注目すべき進歩と将来像(骨髄系疾患)―
骨髄系疾患
—慢性骨髄性白血病の最新治療—
入山 規良
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2022 年 63 巻 6 号 p. 655-659

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抄録

慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia, CML)はチロシンキナーゼ阻害薬(tyrosine kinase inhibitor, TKI)の臨床応用により予後が劇的に改善した疾患である。わが国では第三世代TKIであるponatinibを含む5種類のTKIが利用可能であり,TKI抵抗性はほぼ克服できている。一方,TKI関連の有害事象が臨床上の懸念となっており,ことにponatinibは血管閉塞性事象の発生頻度が高い。最近,ponatinibの用量適正化試験の結果が報告され,CMLにおけるリスクベネフィットを考慮した投与レジメンが示された。また,欧米では新しい作用機序を有するCML治療薬であるasciminibが利用可能となっており,臨床への応用が進められている。したがって,本稿では前治療を有する慢性期CMLに対して開発された最新の治療について概説する。

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© 2022 一般社団法人 日本血液学会
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