臨床血液
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症例報告
混合性急性白血病の同種造血幹細胞移植後に合併した腸管気腫症
北村 亘町田 拓哉藤下 惠悟岡 聡司藤澤 佑香谷 勝真今井 利
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2020 年 61 巻 4 号 p. 312-317

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抄録

39歳,男性。混合性急性白血病の診断で,第一完全寛解期に同種造血幹細胞移植が施行された。熱源の精査目的に施行した髄液検査で,中枢神経系の移植片対宿主病が疑われたため,prednisoloneが開始された。移植後118日目に,定期フォローアップ目的に施行した胸腹部CTで,広汎な大腸壁内気腫を認めた。Prednisoloneによる薬剤性の腸管気腫症と診断し,高流量酸素療法による保存的加療を開始したところ,1週間後のCT所見では大腸壁内気腫の消失を確認し,以後再燃を認めなかった。腸管気腫症の原因として様々な疾患,薬剤が報告されているが,血液疾患,特に成人の同種造血幹細胞移植後に腸管気腫症を合併した報告は少なく,過去の報告と合わせて検討した。

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© 2020 一般社団法人 日本血液学会
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