2019 年 60 巻 7 号 p. 755-760
当施設で,骨髄線維症の30症例に対して,ruxolitinibによる治療を行った。13例の患者で,貧血または血小板減少のためにruxolitinibの減量が必要であったが,10例(77%)で再増量が可能であった。また,赤血球輸血が必要となった5例においても,1例で輸血をしながらruxolitinibを継続することで,全身症状の軽減が得られ,その後輸血不要となった。血小板数5万/µl以下の患者4例が含まれており,ruxolitinibによって脾腫の軽減が得られ,25ヶ月間にわたって治療継続が可能の症例も認めた。さらに,いったんはruxolitinib抵抗性となったものの,一定期間の休薬の後に再開することで,再度治療効果が得られた症例も経験した。今回の後方視的検討で,血球減少があっても,ruxolitinibの継続投与が可能であり,治療効果が得られることが確認された。