2018 年 59 巻 1 号 p. 33-39
Primary central nervous system lymphoma(PCNSL)は他部位原発のものより難治性である。近年,PCNSLに対する自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法の有効性が示唆されており,当院のPCNSL12例を後方視的に検討した。若年でperformance status(PS)が良好な5例に対しupfrontに自家移植を施行した。当院ではbusulfan+cyclophosphamide+etoposide(BUCYE)の前処置で良好な全生存が得られた(完全寛解率100%)。また自家移植群のPSは初回治療で1以下となり移植後も良好なPSを維持したが,非移植群は治療後にPSが低下した。PCNSLに対して自家移植を行う際の患者適応・除外基準および至適前処置レジメンの検討は今後の課題である。