2015 年 56 巻 6 号 p. 699-704
26歳男性。発熱,腰痛,下肢不全対麻痺を主訴に入院となった。全身リンパ節腫脹,多発硬膜外病変,多発骨病変を認め,進行期Hodgkinリンパ腫と診断した。ABVD療法は無効であり,完全対麻痺へと進行した。放射線照射とICE療法6コース後,自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法(自家移植)をしたが部分奏効であった。Brentuximab vedotinを投与し完全奏効となり,臍帯血移植を施行した。本報告は,自家移植に抵抗性の難治性Hodgkinリンパ腫に対する新しい治療戦略を示唆する重要な症例である。