日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
今月のテーマ(総論):消化管機能検査の現状・問題点と今後の展望
消化管機能検査の問題点と今後の方向性
春間 賢眞部 紀明楠 裕明
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2019 年 116 巻 10 号 p. 773-779

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抄録

GERD(Gastroesophageal reflux disease),FD(Functional dyspepsia),IBS(Irritable bowel syndrome),さらに慢性便秘症などの機能性消化管障害は,これからの消化器疾患の診療と研究の中心となる可能性がある.口腔から肛門に至る消化管にはさまざまな機能があり,各臓器の機能に応じた機能検査が考案され,診断や病態の解明,さらに治療効果の評価に用いられている.しかしながら,現在,本邦で保険適用下で行える検査は嚥下運動の評価,24時間食道内pHモニタリングや食道内圧検査,下部消化管では肛門内圧検査に限られている.今後,増加すると考えられるSIBO(small intestinal bacterial overgrowth)や胆汁性下痢など,新たな疾患も増加する可能性もあり,本邦で消化管の機能検査が実臨床で行える体制作りが望まれる.

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© 2019 (一財) 日本消化器病学会
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