都市計画論文集
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個人のライフスタイルと将来居住地選好に関する基礎的研究
山崎 敦広高見 淳史大森 宣暁原田 昇
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ジャーナル オープンアクセス

2012 年 47 巻 3 号 p. 349-354

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抄録

本研究ではスプロール状に広がる居住地を集約化した集約型都市構造への誘導施策のあり方の検討を視野に入れ、東京都市圏の都心部~郊外部を対象に個人のライフスタイルと将来居住地選好との関係の分析を行い、人々の住み替え意向や居住地選択に影響を及ぼすライフスタイルの要因とその傾向を明らかにすることを目的としている。そこで、第5回東京都市圏パーソントリップ調査付帯調査のデータを用い、また将来居住地選好に関わるライフスタイルの一端が個人の属性と価値観により観測されるとの仮定を置き、それらと将来居住地選好との関係について分析を行った。分析の結果、住み替え意向については、年齢、「通勤通学先」「休日買い物先」「水辺や豊かな緑」の近さへの不満度、住宅タイプ、同居人数が相関を持っていることが示された。また、住み替え意向を持つ人の居住地選択意向に関しては、「鉄道利便性」 に対する重視度、現在自動車利用頻度、将来住宅タイプ、将来居住地イメージ、各生活施設の近さへの不満・重視度が相関を持つことが示された。また、現住地により将来居住地選好に影響を与えるライフスタイルの要因が異なることを明らかにした。

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© 2012 公益社団法人 日本都市計画学会
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