皮膚
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乾燥性皮膚疾患に対するスクワランの有用性, 皮膚刺激性および保湿性についての検討
谷井 司加藤 順子八代 典子新藤 季佐幸野 健濱田 稔夫山口 武津雄
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1991 年 33 巻 2 号 p. 155-163

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抄録

乾燥性皮膚疾患に対するスクワランの有用性, 皮膚刺激性, 保湿性について検討した。貼布試験は73例全例陰性であった。使用試験では乾皮症, 手湿疹に有用で, 炎症を伴わないアトピー性皮膚炎にも有効であったが, 炎症を伴っている場合には慎重に使用することが望ましいと思われた。症状別では皮膚の乾燥に特に有効であった。この理由としては, 保湿能の検討より角層水分の貯留作用によるものと思われた。以上よりスクワランは, 適切に使用すれば安全性が高く, ベタつくという不快感がほとんどなく, 使用感も良好で, 乾燥性皮膚疾息の治療に有用と思われた。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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