耳鼻と臨床
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スギ花粉症患者に対する塩酸セチリジン初期投与による有用性 (第三報)
SF-36によるPCS/MCSの検討
荻野 敏武田 憲昭原田 保中村 克彦田村 公一記本 晃治立花 文寿近藤 昭男戸田 直紀関根 和教北村 嘉章上枝 仁美関田 拓馬渋谷 若菜植村 哲也原田 知佐由良 いづみ阿部 律子高石 司阿部 真琴石谷 保夫陣内 自治川田 育二岩崎 英隆平賀 智加島 健司堀 洋二佐藤 豪酒巻 孝一郎宇高 二良金村 章幸田 純治山下 利幸増田 勝巳河田 信藤田 浩志武 浩太郎坂口 喜清竹田 真理子仙波 治足達 治高田 弥生布施 愉香瀬尾 律馬場 謙治野瀬 道宏菊守 寛入船 盛弘石田 稔
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2004 年 50 巻 1 号 p. 28-36

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抄録

スギ花粉症に対する塩酸セチリジンの有用性について、大阪、徳島、岡山の3地区において2001年3月5日からの2週間に受診したスギ花粉症患者のQOLをSF-36を用いて測定し、来院時点以前より塩酸セチリジンを服用している症例を投与群、無治療で来院した症例を非投与群として比較した。SF-36の八つのすべてのサブスケールの結果から、 PCS/MCSの二つのサマリー・スコアを算出した結果、投与群では全体のPCS/MCSともに非投与群に比較して有意にスコアは高値を示した。また、患者の背景因子別では女性、39-49歳、罹患期間6年以上前の項目でPCSが、男性、50歳以上、罹患期間6年以上前、会社員・公務員の項目でMCSが投与群が非投与群に比して有意にスコアが高かった。今回の結果より、PCS/MCSの二つのサマリー・スコアを用いることで、より明確にQOLの判定ができ、SF-36の8項目のサブスケールによる評価よりも有効であると考えられた。

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