2019 年 19 巻 p. 43-49
本研究では,2016年度の豊田市加茂医師会員の意識実態調査結果を元に医師の「在宅医療の実施状況」および「新たな在宅医療依頼への対応可否」による医師の特徴の違いを明らかにしたうえで医師の在宅医療参入に向けた考察を述べた。医師の「在宅医療の実施状況」を目的変数とした分析では「訪問看護の現状への認識」,「通勤」,「在宅医療導入研修への参加意志」が,「新たな在宅医療依頼への対応」を目的変数とした分析では「在宅医療の実施状況」,「在宅医療導入研修への参加意志」が関連要因であった。在宅医療に参入する医師の増加に向けて,自宅兼用診療所医師への在宅医療普及活動,訪問看護の認知度の向上,在宅医療に関する研修の改善および医師のニーズに合わせた研修会の実施が有効である。