日本消化器内視鏡学会雑誌
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症例
拡大内視鏡観察が術前診断に有用であった十二指腸Brunner腺過誤腫の1例
大須賀 崇裕佐藤 康史石川 和真大沼 啓之岡川 泰杉田 真太朗秋山 剛英小船 雅義瀧本 理修加藤 淳二
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2015 年 57 巻 10 号 p. 2441-2447

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抄録

症例は70歳男性.十二指腸球部にポリープを認め,精査加療目的に当科紹介.上部消化管内視鏡検査では,十二指腸球部に基部を持ち,頭部は発赤調で茎部は頭部と同等の太さの,茸状の外観を呈した山田IV型病変を認めた.拡大観察では,頭部に胃上皮化生または異所性胃粘膜と考えられる所見と微小な開口部を認めた.診断的治療目的にpolypectomyを施行したところ,組織学的には表層粘膜に胃上皮化生を伴う成熟脂肪組織の豊富な十二指腸Brunner腺過誤腫であった.Brunner腺過誤腫は,過形成性のBrunner腺に脂肪組織など他の要素が混在するもので,しばしば胃上皮化生を伴う1)とされる.本例では,拡大内視鏡観察によりBrunner腺由来病変に特徴的な所見の指摘が可能であった.

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© 2015 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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