生体医工学
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抄録
異なった3Dプリンタと素材を用いた心臓モデルの作成と有用性の検討
村田 雅登平山 貢大武内 新作小田 昌宏森 建策仁木 清美
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2017 年 55Annual 巻 4AM-Abstract 号 p. 273

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抄録

[目的] 3Dプリンタは手術支援の一つとしての期待が高まっているが、現在の汎用機で、どの位正確に病変を表すことが可能であるかに関して不明である。そこで本研究では、異なった3Dプリンタ造形法と素材を用いて心臓モデルを作成し有用性を検討した。[方法]CT画像から抽出した心臓データをstlファイルに変換することにより、3Dプリンタによる心臓模型をつくった。その際、二種類の3Dプリンタにおける造形法を試した。一つ目は材料にPLAを使用した熱溶解積層法、二つ目は材料にAR-G1Lを使用したインクジェット法である。[結果] 熱溶解積層法を用いて作成したものは、原寸大では印刷できず75%に縮小し印刷した。その結果、血管部分の樹脂が崩れてしまった、また、サイズが小さくなってしまったことに加え、モデル全体が単色であることから、血管がどこにあるかということが一目で分かりにくく、さらに材質が固く力を加えた際に壊れやすいという問題があった。インクジェット方式を用いて作成したものは熱溶解積層法とは異なり原寸大での作成が可能であった。病変部位を正確に表現できた。さらにゴム素材を使用可能でき塑性に富んでいた。[結論]インクジェット方式を採用し作成した心臓模型は塑性に優れ有用である。

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© 2017 社団法人日本生体医工学会
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