日本経営工学会論文誌
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累積和(x^^-, s)同時管理図に関する研究
竹本 康彦渡壁 京子小林 淳一有薗 育生
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2001 年 52 巻 1 号 p. 30-36

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抄録

管理図の1つに累積和管理図が提唱されている.累積和管理図は, 観測値より導出される統計量の累積和を打点し, 一般的には打点された累積和の系列に対して, マスク法による判定法が適用される.このマスク法を利用した累積和管理図では, 工程に管理状態からのわずかなずれが見られるとき, 各時点で独立に判定を行う管理図より平均連長に関して優れた管理特性をもつことが示されている.また, この管理図は工程の微小変化に敏感であるばかりか, マスク寸法の設定に関するパラメータの値の与え方により検出したい変化量に応じた管理図を設定することができるという特徴をもつ.一方, 工程の品質特性が正規分布に従うとき, 工程の品質特性の管理を目的とする(x^^-, s)同時管理図が金川らにより提案されている.本研究では, (x^^-, s)同時管理図の微小な変化における管理特性の改善を目的として, 累積和対数尤度比統計量に基づく累積和(x^^-, s)同時管理図を提案し, その管理図の設計法および管理特性について考察する.くわえて, 累積和(x^^-, s)同時管理図の経済的運用法についても考察する.

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© 2001 公益社団法人 日本経営工学会
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