1999 年 50 巻 5 号 p. 308-315
本研究では, 総所要時間最小化を目的とする2工程並列機械フローショップスケジューリング問題を考える.本問題は, i)第1工程での加工を終えたジョブが第2工程でいくつかの作業に分岐することを許す, ii)第1工程と第2工程での加工の時間的重複を許す(重複生産), といった従来のスケジューリングの理論的研究モデルでは考慮されていなかった特徴的な要因を含んでいる.本研究は, この問題を組合せ最適化問題とみなし, 下界の導出方法とともに, 分枝限定法に基づく解法を提案する.また, 数値実験によって解法の効率に関する議論をする。本研究の主たる動機は、実際に存在する装置産業の生産システムに基づいている.