2022 年 65 巻 3 号 p. 81-89
【目的】本研究の目的は2型糖尿病(T2DM)患者の身体活動量(PA)と下肢機能の関連性を明らかにすることである.【方法】研究デザインは横断研究とし,外来T2DM患者149名(65.0±6.2歳,男性59 %)を対象とした.PAは加速度計を用いて7日間の測定を行い,8つのPA指標を算出した.下肢機能の指標としては5回立ち上がりテストを用い,下肢機能維持群と非維持群に分類した.統計解析としてロジスティック回帰分析(ステップワイズ法)を用い,下肢機能維持に関連するPA指標を探索的に分析した.【結果】下肢機能維持と有意な関連を認めたPAの項目は歩数/日(OR:1.175,95 %信頼区間 1.049-1.317 単位変化:1000歩)のみであった.その他のPAパラメーターは有意な関連を認めなかった.【結語】外来T2DM患者において下肢機能の維持には歩数が関連していた.