2006 年 18 巻 4 号 p. 191-197
【背景】強度変調放射線治療(IMRT)は標的体積の三次元形状に合わせて線量集中度を高めることが可能である.頭頸部領域においては耳下腺線量低減を主目的としてIMRTが行われている.一般的にIMRTでは治療時間が長いこと,および線量勾配が照射野内に存在することより,従来の放射線治療と比較し,より精度の高いセットアップが必要とされる.
【目的】われわれの施設で開発した動体追跡放射線治療装置の 2 方向X線透視を頭頸部癌に対するIMRTのセットアップに用い,その安全性を検証する.
【対象・方法】2002年 5 月から2004年10月まで当院でIMRTを施行した 9 例.PTV-marginは 3 mmで治療を行った.口腔内乾燥症はVAS(visual analogue scale)を用い自覚症状で評価した.