形態・機能
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脳卒中片麻痺手の機能改善に有効な手浴方法の提案
永井 あけみ長弘 千恵山本 真弓花沢 明俊夏目 季代久
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2019 年 17 巻 2 号 p. 86-93

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抄録

脳卒中片麻痺手の機能回復は難しく、従来は発症後3ヶ月間の自然回復期以後の回復はないとされ(以後この現象をプラトーと言う)、麻痺側への訓練は中止されていた。このような状況の中、WHOが脳卒中片麻痺に対する鍼の効果を承認し、「標準経穴部位」(ツボ)を発表した。看護分野では、手浴は清潔ケアの一つとして古くから行われてきた。本研究では脳卒中片麻痺手の機能改善に有効な手浴方法の提案を目的とする。肘から指先まで12ヶ所のツボ押し洗いと拘縮改善に効果があるとされるストレッチングを手浴に取り入れた。

対象者は脳卒中プラトー以後の慢性期片麻痺手患者3名で、各被験者に本手浴法を6日間実施し、2名に手の随意運動の改善がみられ手浴後の血圧も有意に低下した。以上の結果より、本提案手浴法による麻痺手改善の効果が示唆された。本手浴法は費用もかからず他セラピーと容易に併用できる事が利点であるが、症例が少ないことから更なる検証が必要である。

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© 2019 コ・メディカル形態機能学会
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