2019 年 75 巻 2 号 p. I_13-I_24
本研究では接合部界面における微小な凹凸同士の接触を数理モデル化し,有限要素法に組み込めるようにした界面要素を提案している.トンネル天井板を模擬した鋼材とコンクリートブロックからなるボルト締結体に対して打撃試験と界面要素を用いた有限要素解析を行い,本解析手法の有効性を調べるとともに,固有振動数および固有振動モードから締付力を同定する際の指針を検討した.本研究で提案する有限要素解析手法から得られた固有振動数および固有振動モードは打撃試験の結果と一致したことから,本解析手法の有効性が確認された.実構造物において締付力の低下したボルトを検出する際には,複数の加速度ピックアップを用いて取得したパワースペクトルから加速度振幅の差を読み取れば,締付力が低下したボルトを検出できる可能性があることがわかった.