第一次AIブームの中,1986年に人工知能学会は設立された.人工知能が社会に対する期待に応えることができず,AIは冬の時代を迎えたが,その中で研究者らの努力によって,様々な要素技術が検討され,従来の知識工学を発展させたオントロジーに加えて,マルチエージェント,機械学習とデータマイニングという分野が生まれた.計算機資源の充実とインターネットの登場が,様々な要素技術の適用範囲を著しく拡大させ,人工知能で生まれた技術の成果が次々と報告される中,いま第二次AIブームを迎えて,学会設立30周年を迎えようとしている.本パネルでは,この30年を見つめてきたパネリストが,AI研究の流れを概観しつつ,これから人工知能の研究がどこへ向かうかについて議論する.