土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
津波来襲時における船舶避難リスクマップの提案と東京湾への適用
鴫原 良典北 隆範多田 毅八木 宏
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2017 年 73 巻 2 号 p. I_415-I_420

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抄録

 津波来襲時に海上を航行する船舶が安全な海域に避難するための船舶避難リスクマップを提案した.複数の津波イベントについて最大流速分布と操船限界流速の超過確率分布を求め,両者を1枚のマップ上に重ね合わせて可視化する手法により,従来の船舶の避難海域の設定では考慮されなかった潜在的に危険な海域の評価を可能にする.提案手法を東京湾全域に適用することで,相模トラフで想定される津波イベントに対し東京湾中央航路の全域,浦賀水道の西側および東京湾内湾の奥を推奨避難海域として抽出する一方,東京湾内湾の港湾部では津波リスクが高いことがわかった.さらに横須賀港を対象に船舶の性能毎に避難海域への移動の可否を検証し,移動が困難な場合,係留索を強化するなどの被害を軽減するための対策が必要であることを明らかにした.

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