手技訓練補助のための正常異常状態対で構成される状態遷移モデルによる異常動作の検出

小川 陽子
松尾 直志
島田 伸敬
白井 良明
来見 良誠
小森 優

誌名
電子情報通信学会論文誌 D      No.3    pp.549-559
発行日: 2018/03/01
早期公開日: 2017/12/04
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 10.14923/transinfj.2017PDP0033
論文種別: 特集論文 (学生論文特集)
専門分野: 教育工学
キーワード: 
異常検出,  動作認識,  状態遷移モデル,  手術手技訓練支援,  

本文: PDF(2.4MB)>>
論文を購入



あらまし: 
手術手技の訓練は,まず手形状を覚えることから始まる.本論文では,手術手技の自己訓練のための手形状要改善箇所の検出手法を提案する.提案手法では,RGB-Dセンサから得られた手技動作の手形状が要改善か否かを,点群位置合わせと時系列フィルタリングを用いて確率的に推定する.動作モデルを正常異常状態対から構成される状態遷移モデルとして構築し,手本動作の1フレームに正常と異常の2状態を割り当てることで正しいフレームマッチングと要改善箇所の検出を同時に行う.また,被訓練者の習熟度に合わせて手本手形状との違いが大きい箇所を優先的に指摘するために,入力シーケンスが得られるたび適応的に状態遷移モデルのパラメータを推定し直す.我々は,1名の熟練医及び1名の初心者の結紮動作から状態遷移モデルを構築し,状態遷移モデルの構築に使用していない2名の初心者の結紮動作に対し入力動作内の要改善箇所の指摘における本手法の有効性を確認した.