地質調査研究報告
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論文
20万分の1シームレス日本地質図の変成岩統一凡例(試案)
宮崎 一博
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2003 年 54 巻 9-10 号 p. 295-302

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抄録

シームレス20万分の1地質図幅のための変成岩統一凡例の作成を試みた.日本列島に分布する変成岩は島弧海溝系において,変成反応や変形作用のような複雑なプロセスを経て形成されている.結果としてその起源に対応した幅広い多様性を持つ.今回,以下の三つの単純な分類基準で変成岩を分類した.(1)変成条件による区分,(2)変成年代による区分,(3)原岩岩相による区分.分類基準(1)は変成岩形成場についての情報と構成鉱物・岩石組織についての情報を間接的に含んでいる.分類基準(2)は離ればなれに分布する変成岩の形成時期の同時性を示唆する.分類基準(3)は変成岩の化学組成を表し,かつ変成帯の大局的構造の表現するために必要である.上記の分類基準をマトリックス方式で表現した場合,必要な凡例数は50になった.将来,変成岩の原岩岩相を堆積岩・火成岩の岩相として表現し,その上に変成岩としての分類基準(1)と(2) を重ね書きすると.さらに少数の基本的分類基準で変成岩の属性を表現できるようになる.

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© 2003 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
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