脳腫瘍摘出術におけるナビゲーションシステムの有用性と問題点について, 磁場変換式3次元位置測定装置システムを用いて検討した.対象は脳腫瘍19例, 眼窩内腫瘍2例, および難治性てんかん4例である.腫瘍, てんかん焦点の切除範囲の同定に有用で, 特に, 術中脳表に露出していない境界不明瞭の病変に有用であった.基本的な脳外科手術手技を変えることなく, 手術支援が行われた.問題点としては金属による影響に留意しなければならない点であった.正中深部にある腫瘍, 難治性てんかんに対する脳梁離断などでは術中脳の偏位が少ないものの, 半球腫瘍では偏位が避けられないため髄液排出前に脳表の目標点を定め, 術中に経時的に観察する必要がある.