脳神経外科ジャーナル
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LINACを用いた脳定位放射線照射の現況
喜多村 圭鈴木 恵士郎白土 博樹澤村 豊宝金 清博加藤 功井須 豊彦阿部 弘宮坂 和夫
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1998 年 7 巻 2 号 p. 102-108

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抄録

LINAC脳定位放射線照射は飛躍的進歩の渦中にあり, 一方では用語の統一性が失われてきているため改めて整理する.聴神経鞘種に対する本治療の治療成績, 機能温存率, 合併症発生率は優れた外科的治療と同等と考えられる.脳血管奇形(AVM), 特に, small AVMに対しては1回照射の有効性が確立されたが, large AVMに対しては1回照射では閉塞率に限界がみえてきており, 少分割照射の試みもなされている.転移性脳腫瘍は頻繁に治療される疾患であり, その有効性も評価されているが, 外科的切除・全脳照射との兼ね合いが問題となっており, 今後のprospective randomized studyの結果が待たれる.

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© 1998 日本脳神経外科コングレス
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