目的:脳底動脈急性閉塞症(acute basilar artery occlusion:ABAO)は,保存的治療における死亡率が高く,生存例でも重度の後遺症を残すことの多い予後不良の疾患である.われわれはABAOに対して多種の血管内治療手技を用いて積極的再開通療法を行っており,その治療成績を報告する.方法:過去5年間に経験した17症例の治療成績を解析した.結果:過去の報告に比べ,再開通率が高く,予後良好であった.初診時のNational Institute of Health Stroke Scale(NIHSS)が低い軽症例で有意に予後良好であった(p=0.013).結語:積極的血管内再開通療法がABAOの予後を改善することが示唆された.
