糖尿病足潰瘍予防を目的に,われわれは足底にかかる力に着目し客観的なアセスメントのための計測装置を開発してきた.具体的には,1)足底圧分布センサと小型の脚運動を計測可能なモーションセンサとの組み合わせによる歩行計測システム,2)薄型のシートタイプのずれ力計測のセンサによる歩行時のずれ力計測システム,3)小型の3軸力覚センサを用いた局所の圧力とずれ力の計測システムである.これらのシステムによりこれまで困難であった歩行時の胼胝部位におけるずれ力の計測などが実現できるようになってきた.また,システムを用いた臨床調査により胼胝発症に関係するエビデンスも出てきており,それらを患者へフィードバックするシステムの改良も行っている.本稿では,それらのシステムの紹介ならびに利用することで判明したエビデンスについて紹介する.