樹木による都市の暑熱環境の改善効果を評価するために,利用しやすい単木樹木の樹冠投影面積当たりの蒸散量を提供することが重要である。本研究では実大サイズのケヤキを供試木とし,土壌と樹体全体の重量変化を直接計測して蒸散量を正確に把握できるライシメーター法と,現場における個葉レベルの蒸散量測定法として広く用いられているポロメーター法で,同一樹木を並行して測定した。夏季の猛暑日における単木樹木の日中12時間の蒸散量の,ライシメーター法による実測値とポロメーター法による実測値の比較は,1.00:0.83の結果になり,現場で測定できるポロメーター法により単木樹木の日中12時間の蒸散量推定の可能性が示唆される結果となった。