2010 年 36 巻 1 号 p. 119-122
強酸性土壌(pH 2.7~4.7)に生育する植物から分離した耐酸性菌根菌を使用した強酸性法面緑化工法の開発を目指し,実験を行った。pH 3.3~4.0の強酸性土壌の上に,耐酸性菌根菌を入れたポットのメドハギの生育は,入れないものよりも良好であった。しかし,pH 1.8ではすべて枯死し,pH 2.5でも生育は不良となることから,適用できるpHには限界があることが示唆された。また,pH 2.5を下回る強酸性土壌に適用するため,強アルカリの中和資材と併用した場合でも,耐酸性VA菌根菌は,植物の酸性抵抗力を高める効果があることがわかった。以上のことから,耐酸性菌根菌は強酸性土壌の対策資材として有効であると考えられる。