2004 年 30 巻 1 号 p. 33-38
養分集積が極めて乏しい花崗岩風化土においてリン供給と土壌改良効果を期待してタケ炭を施用し,混植植物の生育に及ぼす影響を調べた。その結果,タケ炭施用により肥料木の根粒着生は抑制され成長は劣っていたが,同時にリン施肥をすると単植された肥料木の成長は良好になった。しかし,緑化牧草と混植した場合,タケ炭施用とリン施肥を同時に行っても肥料木の成長は劣っていた。これよりタケ炭は土壌リンを吸着するが、その量は僅かであり施肥によるリン供給を伴えば肥料木に対する施用効果が現れることが期待できる。しかし,緑化牧草を混植するとリン吸収力の違いからリン欠乏が十分に解消されないことが示唆された。