大阪市立大学における地質図学を教材に使ったBASICプログラムの作成実習の現状を紹介して, 地質学専攻の学生を対象としたコンピュータ教育のあり方に関する議論の材料を提供する.効果的な教育を行うためには, 十分なコンピュータ台数の確保や効率的な実習室のデザインなどのハード面での環境を充実することが必要であるが, なにをどのように教えるかというソフト面での充実もそれ以上に重要である.地質学の現状を考えると, 「地質学の世界」を「コンピュータの世界」に置きかえるという視点が不可欠である.地質データの処理法を基本的なプログラム技術と結び付けて整理したり, 地質学の数学的基礎を明確にする研究が効果的な教育法を確立する上で重要な意味をもつ.この面での情報地質学の発展が望まれる.