日本放射線技術学会雑誌
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臨床技術
透視パルス数の低減が経皮的冠動脈インターベンションでのデバイスの視認性と手技線量に及ぼす影響
吉田 将人 丹羽 正厳高橋 康方倉谷 洋佑
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2024 年 80 巻 5 号 p. 519-529

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抄録

透視パルス数の低減が経皮的冠動脈インターベンションでのデバイスの視認性と手技線量に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.呼吸同期ファントムにステントやガイドワイヤなどのデバイスを固定し,透視画像を取得して試料画像とした.透視パルス数が7.5 pulses/sと15 pulses/sの透視条件において,ノイズ低減画像処理であるadaptive temporal filter(ATF)の強度を変えた透視条件を使用した.残像の大きさとステントの視認性に関する視覚評価を実施し,一対比較法で評価した.7.5 pulses/sと15 pulses/sの条件で実施した手技の患者照射基準点空気カーマ(Ka,r),面積空気カーマ積算値(PKA)の中央値を比較した.7.5 pulses/sの条件では,強度が弱いATFを併用すると残像は減少し,手技あたりのKa,rとPKAは約50%低減することが可能であるが,15 pulses/sよりもステントの視認性が低かった.7.5 pulses/sでATFが弱い条件を使用すると,残像が少なく手技線量の低減ができるが,ステントの視認性が低下するため,線量率の調整を考慮する必要がある.

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