頭頸部癌
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その他臨床
頭頸部癌切除後欠損部位の鎖骨上動脈島状皮弁(SCAIF)による再建
和佐野 浩一郎鈴木 法臣川崎 泰士小川 郁
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2014 年 40 巻 4 号 p. 497-501

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抄録

鎖骨上動脈島状皮弁(SCAIF)は鎖骨上動静脈を血管茎とする有茎筋膜皮膚弁であり,当初熱傷瘢痕の治療などに用いられていた。海外では徐々に頭頸部癌切除後の再建に用いられるようになり,有用性が報告されているが,国内からの報告はまだない。
今回我々はSCAIFを4症例の頭頸部癌切除後の再建に用いて有用性を検討した。皮弁挙上に必要な時間は1時間程度であり,皮弁採取部位は一期的縫合可能であった。手術は頭頸部外科医のみで行ったが,皮弁の扱いにある程度慣れた医師であれば難しい手術手技ではなかった。結果として全例で皮弁は生着し,1例で唾液瘻を生じたものの再手術を行うことにより全例で常食摂取が可能となった。頭頸部癌切除後の再建に用いる皮弁として,一つの選択肢となりうる有用性があるものと考えられた。

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© 2014 日本頭頸部癌学会
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