頭頸部癌
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上・中・下咽頭(頸部食道癌を含む)
局所進行下咽頭癌に対する術後放射線療法の遡及的検討
西村 英輝佐々木 良平吉田 賢史宮脇 大輔大月 直樹斉藤 幹清田 尚臣副島 俊典杉村 和朗丹生 健一
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2011 年 37 巻 1 号 p. 62-66

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抄録

当院における局所進行下咽頭癌に対する術後放射線治療成績の遡及的検討を行った。対象は,根治切除後の下咽頭扁平上皮癌に対して術後放射線治療を施行した62例。年齢の中央値64歳(45~82)。男性:女性=55:7。病理病期はIVA/IVB=55/7。線量の中央値は60Gy(46~70)。24例に同時化学療法が併用された。生存例の観察期間中央値は43ヶ月(7~106)。3年の全生存割合は56%,無再発生存割合は51%であった。1例に原発断端再発,9例に頸部リンパ節再発を認め,3年局所領域制御率は85%であった。遠隔転移は16例にみられ,3年の遠隔転移非発生率は71%であった。頸部リンパ節転移に節外浸潤を有する症例は頸部再発・遠隔転移ともに有意に多く予後不良であり,頸部照射における線量分布の改善や,積極的な化学療法の追加等の更なる治療法の改善が期待された。

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© 2011 日本頭頸部癌学会
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