日本泌尿器科學會雑誌
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尿路結石患者におけるCT撮影の有用性
第2報: CT値による結石成分の推定
景山 鎮一桑原 正明黒須 清一折笠 精一
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1986 年 77 巻 2 号 p. 289-294

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抄録

CT撮影によって尿路結石の成分を推定することが出来るかどうかをみるため, 我々は in vitro で47個, in situ で26個の尿路結石のCT値を測定した。
結果は次のとおりであった。
1) in vitro では結石のCT値 (Hounsfield unit) は次のとおりであった。(mean±SD): 蓚酸カルシウムと燐酸カルシウムの混合結石 (mixed stone) は1,555±193H, マグネシウムアンモニウム燐酸結石 (MAP) は1,285±284H, シスチン結石は757±114H, 尿酸結石は480Hとなった。
2) in situ では結石の最高CT値は in vitro の結果とほぼ一致したが平均CT値では in vitro に比べてやや低い値となった。
3) これらの結果から, シスチン結石と尿酸結石はCT値から各々他の結石と区別しうると結論された. mixed stone とMAPに関しては, CT値が1,100~1,500の間ではほとんどが区別出来ないと思われた。しかし, 最高CT値が1,500H以上のものは, ほとんど mixed stone であり, MAPは極めて少なかった。また, 平均CT値が1,000~1,100Hのものは, ほとんどがMAPであり, mixed stone はほとんどなかった。

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