日本消化器外科学会雑誌
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巨大な膵のsolid and cystic tumorの1症例
浅利 靖島津 盛一西村 博行新井 伸康中 英男大和田 隆比企 能樹柿田 章
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1991 年 24 巻 9 号 p. 2461-2465

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抄録

中年の男性に発生した巨大な膵のsolid and cystic tumor (SCT) を経験し, その臨床経過よりdoubling timeを算出した.また本邦報告例139例について検討した.症例は58歳男性.腹部腫瘤を主訴に入院.開腹したところ, 膵体部に被膜におおわれ充実性かつ弾性軟の, 24×19×8cmの腫瘤が存在し, 膵体尾部脾合併切除施行.病理組織学的に, 充実性で髄様増殖パターンを呈し, 免疫染色では上皮系マーカーに陽性でありSCTの診断を得た.4年前の初診時の腫瘍径と今回術前の精査時の腫瘍径とからdoubling timeを算出したところ, 240日とslow growingな腫瘍に分類されることを証明しえた.本邦報告例139例について検討したところ, 本例は男性例としては最年長かつ最大の腫瘍径を持つものであった.術後1年経過した現在, 患者は健在であり, 再発も認められていない.

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