臨床神経学
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短報
右淡蒼球外節に限局した脳梗塞発症後にヘミパーキンソニズムを呈した1例
廣田 尚美坂尻 顕一新田 永俊小室 龍太郎
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2011 年 51 巻 3 号 p. 215-218

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抄録

症例は76歳の女性である.3カ月前に不眠に対し抗うつ薬と睡眠薬を投与された.その際の頭部MRIで基底核病変はなかった.1カ月前から左手の振戦,動作緩慢,ふらつきが出現し,当科を初診した.頸部,左上下肢の筋固縮,左手の巧緻運動障害と動作時振戦,歩行時の左手の振りの減少をみとめた.MIBG心筋シンチグラフィの心/縦隔比は正常で,頭部MRIで右淡蒼球外節に脳梗塞をみとめた.薬剤性パーキンソニズムをうたがい被疑薬を中止したが,症状は不変であった.抗パーキンソン病薬への反応性も乏しく,症状の出現時期と脳梗塞発症時期が一致するため,同梗塞による左ヘミパーキンソニズムと診断した.同様の報告はまれで,貴重な症例と考え報告した.

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© 2011 日本神経学会
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