日本看護科学会誌
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原著
高齢者の幸せの構成要素:幸福度・満足度を高める設問に対する自由記述の計量テキスト分析より
岩原 由香福井 小紀子藤川 あや石川 孝子藤田 淳子
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2023 年 43 巻 p. 38-45

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抄録

目的:本研究の目的は,高齢者が幸福度・満足度を高めるために大切だと認識していることを明らかにすることである.

方法:協力の得られた2自治体から層化無作為抽出(年齢,性別)した65歳以上の男女1,440名を対象に,無記名自記式質問紙を用いた郵送調査法を実施した.全回答者796名(回収率55.3%)のうち,自由記述に記載のある524名を分析対象とした.幸福度を高めるために大切なことに関する自由記述を,計量テキスト分析を行った.

結果:形態素解析の結果1,299語が抽出され,抽出語は,出現頻度,共起性,文書内の特徴語から10テーマに分類された.階層化クラスター分析を行った結果,10のテーマは,【健やかに生活を営む】,【人とのかかわりを持つ】,【前向きに考え,活動を楽しむ】の3つのクラスターに分類された.

結論:生活を営むために必要な収入の確保に加えて,健康や人との交流などに支援を行うことで,高齢者の幸福度・満足度が高まることが示唆された.

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© 2023 公益社団法人日本看護科学学会
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