日本看護科学会誌
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原著
障害のある子どもと社会をつなぐ家族のプロセス
─障害児もいる家族として社会に踏み出す
濵田 裕子
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2009 年 29 巻 4 号 p. 4_13-4_22

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抄録

本研究は,障害のある子どもをもつ家族が,子どもを社会につなぐプロセスを明らかにすることを目的とし,Grounded Theory Approachに基づく継続的比較分析法を用いて行った.対象者は,障害のある子どもの親33名(15組の両親と3名の母親)で,子どもは学童期の身体障害のある子どもであった.
本研究で見出されたカテゴリーは,《わが子の感解》,《障害をとりまく社会への現実志向》,《“うちの家族”の形成(再形成)》,《障害のある子どもと社会をつなぐ方略》の4カテゴリーであり,コアカテゴリーは[障害児いる家族として社会に踏み出すプロセス]であった.親は障害のある子どもを育てるなかで,徐々に《わが子の感解》をし,《障害をとりまく社会への現実志向》をしながら,一方で《“うちの家族”の形成》を行っていた.そしてこれらのプロセスの中で徐々に,親は子どもと社会の関係を捉え,《障害のある子どもと社会をつなぐ方略》を用いるようになった.

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© 2009 公益社団法人 日本看護科学学会
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