地質学雑誌
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105., 本邦上部ジュラ層産 Praestriaptychus
長尾 巧
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1940 年 47 巻 560 号 p. 215-218

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抄録

本邦ジュラ紀層には aptychus は極めて少く只 Cornaptychus nagatoensis NAGAO (長門ライアス層産)が知られてゐるに過ぎない。今囘東北帝大矢部教授の御好意により北上南部上部ジュラ小積層産出の aptychus を檢し得た。これを産した地ではPerisphinctes (Aulacosphinctes?) sp., が採集されたのみで, 從てこの aptychus もこの類のアンモナイトのものと考へる。本標本を檢すると TRAUTH の Striaptychus (s., l.,) であって, 不完全である爲夫れ以上のことは不明であるが, Granulaptychusといふよりも寧ろ Praestriaptychus でないかと思ふ。 Praestriaptychus は中部ジュラより上部白堊紀に至る長期間からは從來確に知れてゐなかった。しかし最近TRAUTHは上部ジエラより産出する數例を報じ, 特に Wuttenburg 上部ジュラ層よりは Perisphinctes の殻中に人ってゐる例をあげてゐる。これは Praestriaptychus fraasi TRAUTH と命名されたが, 本邦産のものは之れに類似してゐる。

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