1937 年 44 巻 530 号 p. 981-999
長野縣下伊那郡天龍川流域の中, 名勝地天龍峽より南方役8粁の門島發電所に至る間の電車線路及新道に沿ふ新しい切割に於て觀察し得る領家式變成岩と花崗岩及び其れに附随する種々の火成岩との關係を特に混生作用の問題に注意して記述した。結論としては混生岩として認められるゝもののなかに, 半花崗岩質岩石と水成岩との間にのみならず, 花崗岩, 細粒斑糲岩質閃緑岩と水成岩との間にも認められ, 更に花崗岩と細粒斑糲岩質閃緑岩, 半花崗岩と細粒斑糲岩質閃緑岩との間にも觀られると述べ, 所謂片状花崗岩に就いても觸れた。